ニューヨーク近代美術館(以下、MoMA)はデジタル戦略に長ける美術館のひとつとして、世界的に知られている。そんなMoMAが、今年画期的なデジタルアーカイブをオンラインで無料公開した。それが「The exhibition history」だ。
MoMAはこれまで、所蔵作品の画像や音声ガイドなど様々なコンテンツをオンライン上で一般公開してきた。ニューヨークに行かずとも、多くの資料にアクセスできることで恩恵を受けた人も多いだろう。
そして今年、同館は新たなデジタルアーカイブとなる「The exhibition history」を公開した。同コンテンツは、1929年の開館当時から現在まで、約3500におよぶ展覧会を、会場風景、チケット、参加アーティスト、プレスリリースといった情報で登録。同館の歴史を紐解く重要な資料となっている。
例えば、開館年である1929年の11月7日から12月7日まで開催された「セザンヌ、ゴーギャン、スーラ、ヴァン・ゴッホ」展では、23点の会場風景写真に加え、156ページのカタログなどが公開されており、当時の様子を手軽にうかがうことができる。(登録されている情報は展覧会ごとに異なる。カタログは現在800展覧会が公開中)

このアーカイブについて同館ディレクターのグレン・D・ロウリーは「学習に役立つばかりでなく、MoMAが美術史のなかで担ってきた重要な部分に対するより幅広い興味関心をうながすことができればと望んでいます」とコメントしている。なお、同アーカイブは、今後も情報が順次追加されていく予定だという。
MoMA The exhibition history