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Channel: bitecho[ビテチョー]
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「捨てられるもの」に託す、叶わぬ憧れ抱く私の姿 横山奈美個展

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トイレットペーパーの芯やみかんの皮といった、目を向けられることの少ない身の回りのものをモチーフに絵画を発表してきた横山奈美の個展「やり直し」が開催中。ケンジタキギャラリー(東京・新宿)にて、7月30日まで。

 1986年生まれの横山は、昨年「VOCA展2015」に選出されたのを皮切りに、2016年には第8回絹谷幸二賞で奨励賞を受賞、第19回岡本太郎現代芸術賞で入選を果たすなど、現在もっとも注目を集めている若手作家のひとりだ。愛知県立芸術大学大学院在学中から描き続けてきたのは、身の回りの「いずれ捨てられるもの」。これまでには、「姿を現すとすぐに潰され捨てられる」トイレットペーパーの芯を克明に描いた《遠くの柱》(2015)などを発表してきた。

 横山は、絵画のモチーフとなる「もの」たちを、「変えられない運命を背負った存在」ととらえ、子どもの頃からテディベアや海外のアイドルといった、自分には「なれないもの」に憧れてきた自身に重ねる。「本来の意味や用途から離れ、生命体や風景、モニュメントに見立て、油彩で描くことで、どうしようもない私やものが囲われていた柵をまたいで、少しだけ先に進める気がするのです」と語る。

 ケンジタキギャラリー/東京での初個展となる本展では、油彩作品のほか、人物像のドローイングを発表している。展示タイトルの「やり直し」は、「どうしようもないことを受けとめた上で、もう一度挑戦すること」。自身の「運命」を重ねた絵画と、自画像とも言えるドローイングのシリーズは、いずれも新作だ。

横山奈美 個展「やり直し」
会期:2016年6月17日~7月30日
会場:ケンジタキギャラリー/東京
住所:新宿区西新宿3-18-2-102
電話番号:03-3378-6051
開館時間:12:00〜19:00
休館日:日、月、祝日
URL:http://www.kenjitaki.com/

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