海外でも活躍。日常を色鮮やかに捉える若手写真家・題府基之個展

2007年にひとつぼ展に入選し、NYにも活動の幅を広げている写真家・題府基之の個展が若手表現者の活動を支援するギャラリー、ガーディアン・ガーデン（銀座）で開催される。家族や身の回りのものを題材にした写真表現で知られる題府の、現在までの視座を包括する展覧会となる。

　題府の鮮やかな写真群を、これまでに写真集あるいはZINEなどで目にしたことがある人も多いかもしれない。混沌とした、あるがままの日常の風景であっても、彼の手にかかると、人物や物が象徴的に切り取られて、時にハレーションを起こすほどの強い光を帯び、ポップな色彩で迫ってくる。

　表現ジャンルを問わず、日常の風景を題材に選ぶ表現者は数多く存在する。誰もが見慣れた、ありふれた風景を対象にしているからこそ、その作品の表現者が常日頃から何をどのように見て、何を感じているのかが、表現を通じてあぶり出されるのだ。

　本展においては、これまですでに発表されてきた作品の数々を、題府自らがセレクトして構成する。大型のインクジェットプリント約26点も展示しながら、作品同士に存在するつながりを見せることで、題府の表現の一貫性を提示する機会となりそうだ。