Quantcast
Channel: bitecho[ビテチョー]
Viewing all articles
Browse latest Browse all 939

この時代の表現を問う。東京都現代美術館で「キセイノセイキ」展

$
0
0

アーティストの表現行為の場と方法、そしてその影響力については、美術館のような公共機関から個人単位まで、特にこの数年来、さまざまな議論が交わされている。3月5日より東京都現代美術館にて始まる展覧会「MOTアニュアル キセイノセイキ」は、現代社会の表現をテーマにした展覧会だ。美術館とアーティストたちの組織が協働企画した同展、私たちにどのような発信をしてくれるだろうか。

 東京都現代美術館が1999年より継続的に開催しているグループ展「MOTアニュアル」シリーズ。第14回目となる今回は、東京都現代美術館とアーティストたちの組織・ARTISTS' GUILD(アーティスツ・ギルド)との協働企画となる。テーマは「今、この時代に表現することとは何か」。

16030202_2.jpg
高田冬彦 Many Classic Moments 2011 映像/ブルーレイ

 インターネットを通じて誰もが発信者となれる現代、表現の自由が拡がる一方で、信憑性の低い情報が横行し、匿名性ゆえの悪質な誹謗中傷、マイノリティへの過剰な攻撃など、さまざまなひずみや摩擦が生まれている。こうした社会において、アーティストの表現行為は、どのような意味を持ち、どのような問題提起ができるだろうか。

 ARTISTS' GUILD(アーティスツ・ギルド)は、芸術支援の新しい可能性を模索し、アーティスト自らが立ち上げた実験的な活動団体だ。2009年に映像機器の共有システムを立ち上げ、2013年より、合同会社AGプロダクションズとして展覧会や関連イべントの映像記録を請け負っている。メンバーは15名(池田武史、奥村雄樹、倉重迅、小泉明郎、小林耕平、笹口数、椎木静寧、須田真実、田中功起、津田道子、橋本聡、藤井光、増本泰斗、森弘治、森田浩彰)。うち、増本、橋本、藤井、小泉の4名は本展に作品を出品している。

16030202_1.jpg
橋本聡 ビデオ撮影:バレリーナ 2012 パフォーマンス(バレリーナが会場の様子をビデオで撮影する)[参考図版]

 本展は、作品の展示のみでなく、会期中のライヴ・パフォーマンス、トーク・イベント、また出版物を通して、広く表現と社会の関係を問うものだ。展覧会カタログは、本展記録に加え、ARTISTS' GUILDメンバーによるインタビューも収録する。アーティストたちとのディスカッションを重ね、2年がかりで実現した本展。多様な表現手段によって、多層的な議論の場を目指す。

 さて本展タイトルの「キセイノセイキ」。展覧会を見た後に、あなたはこのカタカナ語に、どのような漢字を当て、何を読み取るだろうか。

MOTアニュアル2016 キセイノセイキ
会期:2016年3月5日~5月29日
会場:東京都現代美術館 企画展示室 地下2階
住所:東京都江東区三好4-1-1
電話番号:03-5245-4111
開館時間:10:00~18:00(入場は閉館30分前まで)
休館日:月曜日(2016年3月21日、5月2日、23日は開館)、3月22日
入場料:一般 1000円 / 大学生・専門学校生・65歳以上 800円 / 中高生 500円 / 小学生以下 無料
URL:http://www.mot-art-museum.jp


【同時開催】スタジオ設立30周年記念 ピクサー展
会場:東京都現代美術館 企画展示室1階、3階
入場料:一般 1500円 / 高校・大学生 1000円 / 小・中学生 500円 / 未就学児 無料

【同時開催】MOTコレクション コレクション・オンゴーイング
会場:東京都現代美術館 常設展示室1F、3F
入場料:一般 500円 / 大学生 400円 / 高校生・65歳以上 250円 / 中学生以下 無料

Viewing all articles
Browse latest Browse all 939

Trending Articles