3月4日より、東京都文京区のヒロマート・ギャラリーでは、ニューヨークを拠点に活動するクロアチア出身のアーティスト、ズドゥラフコ・トイックの新作展を開催する。
ズドゥラフコ・トイックのアーティストとしての出発は、抽象画の意味を探ることから始まった。それは、アメリカの抽象表現主義の画家たちとの交流によるところが大きいようだ。理論的に構成された作品ではなく、彼の言葉を借りるならば「個人的で本能的な方法(personal and instinctive method)」によって、抽象表現を模索している。自身の表現について「私の詩(my poetry)」という言葉を用いているが、今回の個展タイトルが「Disconnected Pattern」でもあるように、詩のような表現の視覚化を試みていると言える。

そうした身体感覚の表現への興味は、近年の彼の活動にも見てとれるだろう。ロンドン・バレエ・カンパニーのダンス振付師とともに、彼のペインティング作品を用いた舞台セットのデザインを手掛けている。その作品「Emergency Ballet」は、アメリカン大学、米国フランス大使館で上演されたのち、スイス、オーストリアにも巡回した。

今回で彼の個展を開催するのは4度目となるヒロマート・ギャラリーは、2010年のオープン以来、国内外のアーティストの作品を紹介しているギャラリーだ。これまでに、米国のオルタナティブ・ロック・バンド「ハーフ・ジャパニーズ」のメンバーの一人、ジャド・フェア(Jad Fair)の切り絵作品の展示や、漫画家としても活躍する画家、後藤友香の作品展を行うなど、ユニークな活動歴のアーティストの作品も紹介している。
彼が画面の上に感覚的にうみ出す色彩や形態を、詩のように楽しんでみてはいかがだろうか。
会場:Hiromart Gallery
住所:東京都文京区関口1-30-7 三村ビル1階
電話番号:03-6233-9836
開廊時間:13:00~19:00
休廊日:月火
URL:http://hiromartgallery.com/