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Channel: bitecho[ビテチョー]
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「日常」を通じて、社会の姿を探る アラタニウラノで潘逸舟個展

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中国と日本にルーツを持つ注目の若手アーティスト・潘逸舟が、3月5日よりARATANIURANO(東京・白金高輪)にて個展を開催。映像をはじめとするさまざまなメディアを使いながら、個人の目線で社会や国家が抱える問題にアプローチした作品を発表する。

 1987年に上海で生まれ、9歳で家族とともに青森に移住した潘は、国際芸術センター青森(ACAC)でさまざまな展覧会にボランティアとして関わった経験をきっかけに、作品制作を開始。パフォーマンス、映像、インスタレーション、写真、絵画など多岐にわたる手法で、ときにユーモアを交えながら社会や国家と個人の関係の中で生まれる問題を表現してきた。

 潘の作品の特徴のひとつは、一貫して自らの身体や身近な素材を表現媒体としてきたことにある。映像作品《Musical Chairs(海)》(2015)では椅子取りゲームの様子を領土問題に重ねて描き、《13本の横縞》(2015)では立ち入り禁止区域を示すテープでアメリカ国旗を思わせるイメージを構成。オーストリア滞在時には、その国で最も安価な硬貨を集めて象徴的な風景を描き出すシリーズ作品の制作を開始。自らのナショナル・アイデンティティや、イデオロギーの問題に言及しつつも、それらを日常生活の延長線上にあるものとしてとらえてきた。

 2012年には小沢裕子とともに、岡田利規が審査員を務めた「作家ドラフト」の展示作家に選出され、京都芸術センターで新作を発表したほか、近年は台北、ロンドン、ボストンでの展示とニューヨークでのレジデンスを経験。本展終了後にはニューヨークのジャパン・ソサエティ、ジューイッシュ・ミュージアムでの展示参加が決定しており、今後さらに国際的な活躍が期待される。本展では、新作に加えて初期作品も展示される。

潘逸舟個展「As far as I know」
会期:2016年3月5日~4月2日
場所:ARATANIURANO
住所:東京都港区白金3-1-15 2階
電話番号:03-5422-8320
開館時間:11:00〜19:00
休館日:日、月、祝日
URL:http://www.arataniurano.com/

【トークイベント】
3 月12日 19:00〜
金澤韻 (キュレーター) × 潘逸舟

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