Quantcast
Channel: bitecho[ビテチョー]
Viewing all articles
Browse latest Browse all 939

注目の画材紹介① アムステルダム×大小島真木

$
0
0

さまざまな観点から開発された個性豊かな画材。実際に使用し、その使い心地を体感することで、作品の幅に拡がりが生まれることもあるでしょう。「注目の画材紹介」のコラムでは、アーティストたちに画材との出会いや創作の可能性について話を聞きます。本コラムでは、ターレンスジャパン社の商品「アムステルダム アクリリックガッシュ」「アムステルダム アクリリックカラー」について、VOCA2014で奨励賞を受賞し、東久留米アートプロジェクト企画(2015)で神社の拝殿の天井画を描くなど、今後の活躍が期待される若手アーティスト、大小島真木が語りました。

 輪郭を超えてつながり合う動物、植物、鉱物。この圧倒的な絵画や天井画の作者は、大小島真木。万物の視線を自身に内在化して、人間とは異なる視点から世界の諸相を表現してきた、注目の画家だ。「私にとって絵は、対象と自分の間を移行する視点を再現するための装置です。脳内で起こるその視線の動きを捉える上で、アクリル絵具の乾きの速さ、思考やイメージをどんどんかたちにできる性質が、重要なんです」。

16012102_05.jpg
大小島真木 世界に見られている。 2015 パネル、アルシュ紙、革、キャンバス、ゴムに鉛筆、アクリル絵具 182×242cm(サイズ可変)© Maki Ohkojima All Rights Reserved.

 壁画など大作を多く手がける彼女にとって、大容量の「アムステルダム アクリリックカラー」は、制作の大きな助けだ。「大容量なのに上質で、水彩にも近い軽さ、 混ぜやすさも気に入っています。伸びの良さはダントツですね」。色ではとくに、「様々な混色に向く」と語るネープルスイエローグリーンを愛用しているという。

16012102_02.jpg
溢れ出すイメージをすぐさま描き出したいと語る大小島は、混 色のしやすさ、しなやかさを画材に求めている

 ガッシュは光の筋など強調したい箇所に使う。「すべての物質にはそれぞれの重さ、質感がある。それを描き分ける上で、透明性と不透明性の使い分けは大切にしています」。今回、日本で独自開発された「アムステルダム アクリリックガッシュ」は、メディウムが統一されることで、「アクリリックカラー」と併用できるのも特長。大小島も「今まで併用によるひび割れを気にしていたけれど、これならバンバン使える」と興味を覗かせる。

16012102_03.jpg
「東久留米アートプロジェクト Vol.1」(2015年11月25日〜12月6日)によせて南沢氷川神社拝殿に描いた天井画。東久留米の湧き水が自身の細胞に染み渡っていると実感した経験から、動物、植物、鉱物が織り重なる世界を描いた

「東久留米市に建つ南沢氷川神社の拝殿天井画も、人から声をかけてもらってできたこと。ご縁を大事に活動していきたい」と語る彼女。絵画を通して世界の豊かさを伝える、その挑戦は続いていく。

16012102_06.jpg
大小島真木

PROFILE
おおこじま・まき 1987年東京生まれ。2011年、女子美術大学大学院修士課程修了。2014年、VOCA奨励賞。2015年12月15日〜2016年1月月24日、津田隆志と二人展「森羅万象」(豊川市桜ヶ丘ミュージアム、愛知県)を開催。WEB:http://www.ohkojima.com/top.htm

(文=杉原環樹+編集部)

【ITEM1】大容量でどんどん使える アムステルダム アクリリックカラー
16012203_1.jpg
圧倒的な容量の大きさとリーズナブルな価格、高い品質を兼ね備えることで、大作に向かうプロから心置きなく制作に集中したいアマチュアまで、幅広い層に愛されてきたオランダ製アクリル絵具。容量の幅は20~1000mlと豊富。全80色、20ml、220円~。


【ITEM2】蛍光色まで揃う日本オリジナル製品 アムステルダム アクリリックガッシュ
16012203_2.jpg
ガッシュ人気の高い国内の要望に応えた日本オリジナル製品。高い耐水性と被膜力を誇り、メディウムの統一によってアクリリックカラーとの併用も可能。下地にも 使えるホワイティシリーズから蛍光色まで。全80色、20ml、240円~。


【メーカー情報】株式会社ターレンスジャパン
所在地:大阪府大阪市中央区森ノ宮中央1-6-20
電話番号:06-6910-8825
URL:http://www.talens.co.jp/

現在、大小島真木が下記の展覧会に作品を出品しています。

現代美術 in 豊川
森羅万象-大小島真木+津田隆志-
会期:2015年12月15日〜2016年1月24日
会場:豊川市桜ヶ丘ミュージアム1階 第5・6展示室
住所:愛知県豊川市桜ヶ丘町79-2
電話番号:0533-85-3775
開館時間:9:00〜17:00
休館日:月曜日、年末年始

Viewing all articles
Browse latest Browse all 939

Trending Articles