情熱的なダンスや音楽で知られるカリブ海の島国キューバが、小さな映画大国であり、映画ポスターの楽園であるということをご存知でしょうか。2016年1月7日〜3月27日、国立近代美術館フィルムセンターにて、「キューバの映画ポスター 竹尾ポスターコレクションより」が開催されています。人気の画家やデザイナーによって、映画の世界観が華やかに表現されたキューバの映画ポスターをたっぷりとご堪能ください。
1959年の革命以降、国立の映画芸術産業庁(ICAIC/イカイック)のもと、国を挙げて取り組まれたキューバの映画産業は、独自の発展を遂げました。新ラテンアメリカ映画祭の開催でも知られる首都ハバナは、ラテンアメリカ映画の中心地のひとつとなっています。
キューバの映画産業における大きな特徴の一つが、映画の宣伝に欠かせないポスターのグラフィックへのこだわりです。ポスターの制作に際して様々なデザイナーや画家を招き、一枚一枚手刷りのシルクスクリーン技術で製作を行うという手法は、一国の映画産業の方針としては世界でキューバにしか見られない独自のものです。

エドゥアルド・ムニョス・バッチ、レネ・アスクイ・カルデナス、アントニオ・フェルナンデス・レボイロをはじめとする時代を代表する人気のアーティストがその製作を担当した数々のポスターは、豊かな色彩や洗練されたデザインで鮮烈な印象を与え、単なる広告の枠組みを飛び越えて、一つの文化として確立されています。

「キューバの映画ポスター 竹尾ポスターコレクションより」では多摩美術大学に寄託されている竹尾ポスターコレクション所蔵作品を中心に、革命期から1990年前後までに制作された85点の映画ポスターをキューバ映画のポスター、世界各国の映画ポスター、キューバの映画界から波及した様々なイベントのポスターの3章に分けて紹介します。2章で紹介される、盛んに輸入された外国映画のポスター群の中には、キューバで絶大な人気を獲得した、勝新太郎演じる『座頭市』など、日本映画のポスターも含まれます。

映画に新しい価値を与え、映画界に「革命」を起こしたキューバの映画ポスターを、一挙に鑑賞することができる本展。どうぞお見逃しなく!
場所:東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室(7階)
住所:東京都中央区京橋3-7-6
電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル 8:00~22:00)
開館時間:11:00~18:30(入室は18:00まで)
休室日:月曜日
URL:http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/cubanposter/#section1-1
場所:展示室ロビー(7階)
講師:岡田秀則(フィルムセンター主任研究員)×寺島佐知子(キューバ映画研究者)
場所:展示室ロビー(7階)
講師:比嘉セツ(映画配給会社Action Inc.代表)×太田昌国(ラテンアメリカ現代史研究家)
場所:展示室ロビー(7階)
講師:濱治佳(山形国際ドキュメンタリー映画祭東京事務局長)
講師:フィルムセンター研究員が展示品を解説いたします。
※詳細はホームページをご確認ください。
場所:東京国立近代美術館フィルムセンター 小ホール
定員:151名(各回入替制)
URL:http://www.momat.go.jp/fc/exhibition/cuban-film-2016-1/
※詳細はホームページをご確認ください。
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