2012年6月に熊本市現代美術館で開幕して以来、東京オペラシティ アートギャラリーをはじめ、新潟県立万代島美術館、札幌芸術の森、松本市美術館など日本全国25会場を巡回、計75万人以上を動員してきた「篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN」が2017年1月に横浜美術館で開催される。
本展では篠山が自ら選んだ作品を「GODー鬼籍に入られた人々」「STARーすべての人々に知られる有名人」「SPECTACLEー私たちを異次元に連れ出す夢の世界」「BODYー裸の肉体ー美とエロスと闘い」「ACCIDENTSー2011年3月11日ー東日本大震災で被災された人々の肖像」という5つの章に分けて紹介。
なかでも高さ3メートル、幅4.5メートルの大画面で眼前に迫る山口百恵や、長さ約9メートルにわたって展開する後藤久美子のメルヘンの世界など、写真の常識を超えたスケールの写真には注目だ。これまで、美術館を「写真の死体置き場だ」とし、美術館での写真展に疑問を抱いてきた篠山紀信にとって、この大きさが「写真力」を引き出す鍵となった。各美術館の展示室ごとに異なる表情を見せる大作が、横浜ではどのような空間をつくりだすだろうか。

このほか、横浜展のための特別セレクションとして、横浜出身の女優・草笛光子や、横浜・伊勢佐木町の路上ライブから出発し、幅広い世代から支持を集める北川悠仁と岩沢厚治によるユニット「ゆず」など、横浜と、そこに暮らす人々のために篠山が選んだ作品が新たに加わる。

篠山は本展について「この展覧会は美術館の大空間と圧倒的インパクトのある写真との戦い。つまり空間力VS写真力のバトルです。鑑賞ではなく体感! 是非ご自身の体をその空間の中に浸してみて下さい。横浜美術館でお待ちしています」とコメントしている。
なお1月9日まで東京・品川の原美術館では、篠山が同館の建築に魅了されて撮り下ろした新作で構成された「篠山紀信 快楽の館」が開催中。こちらもあわせてチェックしたい。
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
電話番号:045-221-0300
開館時間:10:00~18:00(2月23日〜16:00、2月24日〜20:30)
休館日:木休 ただし1月5日、2月23日は開館
入館料:一般 1500円 / 大高生 900円 / 中学生 600円 小学生以下無料
URL:http://kishin-yokohama.com/
アーティストトーク
出演:篠山紀信
日時:2017年1月7日 15:00~16:30(14:30会場)※トーク終了後、図録購入者を対象にサイン会を実施
会場:横浜美術館レクチャーホール
定員:240名(当日13:30より総合案内で整理券配布、参加無料)